私だけに見せる、彼の独占欲。
第8話 「罰はデート」
午前中の窓口が落ち着いたころ。
私は書類を持って、俊のデスクへ向かった。
まだ少し、顔を見るだけでドキドキする。
「主任、こちらの確認を――」
言いかけて、ふと目が合う。
優しい目。
昨日の帰り道の続きみたいな空気。
気が緩んだ。
「……しゅ――」
はっ。
危ない。
飲み込む。
俊の眉がぴくっと動く。
「今、何て言いかけた?」
低い声。
「い、いえ、主任と!」
周りには同僚。
ここは職場。
俊が立ち上がって、
私の手元の書類を受け取る。
そして小さな声で。
「お前な〜」
次の瞬間。
ツン。
おでこを軽く突かれた。
「いった……」
思わず額を押さえる。
「職場」
俊の目は真面目なのに、口元は笑ってる。
「罰な」
「ば、罰?」
心臓が変な音を立てる。
俊は周囲に聞こえない声で、さらっと言う。
「今週(土)空けといて」
え。
「……え?」
「デートだよ」
何事もなかったみたいに椅子に座る。
私はその場で固まる。
デート。
はっきり言われた。
「主任……」
「だからそれ禁止」
視線だけで止められる。
「俊、だろ?」
顔が一気に熱くなる。
周りの空気はいつも通り。
誰も何も気づいてない。
「なに緊張してんだ」
俊が書類に目を落としたまま言う。
「今週末、ちょっと付き合って」
その言い方が、軽いのに逃げ場がない。
「……どこ行くんですか」
「まだ秘密」
視線だけで微笑む。
「逃げんなよ?」
「に、逃げません」
即答してしまう。
俊が満足そうに小さく頷く。
「よし」
それだけなのに。
その日一日、
私は、落ち着かなかった。
席に戻りながら思う。
主任と呼ぶ緊張。
名前で呼びたい衝動。
突かれたおでこの感触。
そして――
「デートだよ」
その言葉が、何度も頭の中で再生される。
今週(土)。
まだ三日もあるのに。
待ちきれないなんて、
ちょっと悔しい。
私は書類を持って、俊のデスクへ向かった。
まだ少し、顔を見るだけでドキドキする。
「主任、こちらの確認を――」
言いかけて、ふと目が合う。
優しい目。
昨日の帰り道の続きみたいな空気。
気が緩んだ。
「……しゅ――」
はっ。
危ない。
飲み込む。
俊の眉がぴくっと動く。
「今、何て言いかけた?」
低い声。
「い、いえ、主任と!」
周りには同僚。
ここは職場。
俊が立ち上がって、
私の手元の書類を受け取る。
そして小さな声で。
「お前な〜」
次の瞬間。
ツン。
おでこを軽く突かれた。
「いった……」
思わず額を押さえる。
「職場」
俊の目は真面目なのに、口元は笑ってる。
「罰な」
「ば、罰?」
心臓が変な音を立てる。
俊は周囲に聞こえない声で、さらっと言う。
「今週(土)空けといて」
え。
「……え?」
「デートだよ」
何事もなかったみたいに椅子に座る。
私はその場で固まる。
デート。
はっきり言われた。
「主任……」
「だからそれ禁止」
視線だけで止められる。
「俊、だろ?」
顔が一気に熱くなる。
周りの空気はいつも通り。
誰も何も気づいてない。
「なに緊張してんだ」
俊が書類に目を落としたまま言う。
「今週末、ちょっと付き合って」
その言い方が、軽いのに逃げ場がない。
「……どこ行くんですか」
「まだ秘密」
視線だけで微笑む。
「逃げんなよ?」
「に、逃げません」
即答してしまう。
俊が満足そうに小さく頷く。
「よし」
それだけなのに。
その日一日、
私は、落ち着かなかった。
席に戻りながら思う。
主任と呼ぶ緊張。
名前で呼びたい衝動。
突かれたおでこの感触。
そして――
「デートだよ」
その言葉が、何度も頭の中で再生される。
今週(土)。
まだ三日もあるのに。
待ちきれないなんて、
ちょっと悔しい。