『学校のクール王子と365日ひとつ屋根の下!? 〜家では溺愛狼でした〜』
高級な住宅街の中に立つ、大きくておしゃべりな一軒家。

表札には、確かに『九条』と書かれている。

(うぅ……緊張して心臓が口から出そう……)

ギュッとローファーのつま先に力を入れて、私はインターホンを押した。

ピンポーン――。静かな家の中に、チャイムの音が響く。

数秒後、ガチャリと鍵が開く音がして、ゆっくりとドアが開いた。

「は、はじめまして! 今日からお世話になる、葵で――」

頭を下げながら挨拶をして、顔を上げた瞬間。

私の言葉は、完全に止まった。

「……え?」そこに立っていたのは、背が高くて、モデルみたいに綺麗な顔立ちの男の子。

サラサラの黒髪に、吸い込まれそうなほどクールな、切れ長の瞳。

着崩したワイシャツの胸元が、なんだか少し大人っぽい。

それは、私のクラスの、いや、学校中の女子が憧れる『孤高の王子様』だった。

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