一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
「だが、高梨。おまえは営業だろう」

「……はい」

「失敗を反省するのは重要だが、止まっている時間はない。損失が出た分、その補填として新規の取引を持ってこい」

心臓が跳ねた。

もう一度チャンスをくれるのか。

一度失格の烙印を押された私に。

「……え……?」

「君にならできるだろう。昨年の営業実績2位、高梨美優」

名前を呼ばれただけで、視界が滲んだ。

私の実績なんて、所詮は昨年のもの。

今、目の前で大失敗をした自分には、何の価値もないと思っていた。

それなのに、彼は私の過去の頑張りを見てくれていた。

「はいっ……! はい、必ず!」

私は返事をするのが精一杯だった。

涙をこらえようと必死に口を結ぶ。

「泣くな。営業が涙を武器にするのは最低だ」
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