一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
「……社長、お乗りになるんですか?」

「同行してやる」

彼は淡々と言うと、シートベルトを締めた。

「おまえの力になってやるよ。昨年の2位の実績、今の君がどう活かすか見ておきたい」

「い、いいえ! そんな、社長の貴重な時間をいただくわけには……!」

「拒否権はない。早く乗れ、時間がもったいないぞ」

有無を言わせぬ圧力。

私は慌てて運転席に飛び込んだ。

エンジンをかけ、ハンドルを握る手が先ほどよりも激しく震えている。

車内に流れる沈黙は、信じられないほど濃密だった。

助手席から漂う、微かなサンダルウッドの香り。

社長がすぐ隣に座っているという事実に、息が止まりそうになる。

「……どうした。車が出ないぞ」

「あ、すみません……!」
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