一途な社長に溺愛を教え込まれた夜

第2章 優しい社長

社長室のドアを叩く私の手には、一晩中かけて作り上げた新しい提案書が握られていた。

「……失礼します」

中に入ると、黒瀬社長は相変わらず冷徹なほど冷静に書類に目を通していた。

私は深呼吸をして、デスクの上に資料を広げた。

「社長、スタンダードプランの見直し案を作成しました。これでいかがでしょうか」

黒瀬社長は短く目を通すと、わずかに眉を上げた。

「……うん、これなら自信を持って提案できるな」

「利益率も、先方へのメリットを損なわない範囲で、確実に4割出るように設計し直しました」

「よくやった」

その一言。ただそれだけの言葉なのに、胸の奥が花火のように弾けた。

冷徹な黒瀬社長から認められた。

その事実だけで、昨日の失敗の記憶が塗り替えられていく気がした。
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