一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
「早速、既存の取引先にもこのプランを提示します。現状の契約よりもこちらに切り替えた方が、先方のコスト改善に直結しますから」

「ああ、早急に進めてくれ。君ならそれができる」

「はい!」

私は意気揚々と頭を下げ、部屋を出ようと踵を返した。

しかし、扉のノブに手をかけた瞬間、背後から低く、けれど確かな響きを帯びた声が私を止めた。

「高梨。今日、時間はあるか?」

私は振り返り、不思議そうに首を傾げた。

「……はい。特に用事はありませんので」

「だったら、俺に付き合え」

それだけ言うと、社長はカバンを手に取り、有無を言わせぬ足取りで部屋を出て行った。

私は慌ててその後を追う。

たどり着いたのは、街の喧騒から切り離されたような、静謐で格式高いレストランだった。

「……いつもこのような場所にいらっしゃるんですか?」
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