一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
席に着く際、私はつい聞いてしまった。

社長は椅子の背にもたれかかり、メニュー表を私の方へスッと滑らせた。

「接待でな」

その言葉の裏に、どれほどの重圧や駆け引きが隠されているのか。想像するだけで胸が痛む。

「好きなものを頼め」

そう言われてメニューを開くと、そこには私の月給では二の足を踏むような数字が並んでいる。

ドキッとして、喉が渇いた。

すぐ隣に座る社長からは、上質なスーツとサンダルウッドの香りが漂ってくる。

「……ご褒美だ」

社長が柔らかく笑う。

その笑顔に当てられて、私はつい、一番無難な選択をしてしまった。

「では、この竹プランで」

「ぶはっ」

社長は吹き出し、肩を震わせて笑った。

「君は、やっぱりスタンダードプランが好きなんだな」

「いいえ、そんなことはありません! ただ、一番失敗がなさそうで……」
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