一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
エントランスの前で、私は立ち止まった。

「社長、ここで……本当にありがとうございました」

「ああ」

社長は足を止め、私と向き合った。

その視線が、昼間の営業会議の時とは全く違う。

もっと深く、もっと熱く、私だけを射抜いている。

胸がいっぱいで、言葉が見つからない。

私がただ彼を見つめ返していると、彼は唐突に口を開いた。

「ここまで来て、家には入れないか?」

「えっ!」

頭が真っ白になった。

今、この人は何と言ったのか。

鼓動が耳の奥で激しく鳴り響き、足元がふわふわと浮くような感覚に襲われる。

「……嘘だよ」

社長はニッコリと、少年のように無邪気に笑った。

「おやすみ」

次の瞬間、ふわりと温かな感触が私の額に触れた。

それは優しく、慈しむようなキスだった。
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