一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
彼は手招きをして、私を目の前に座らせる。

「で? 俺に会いに来たのか?」

「なっ……! 違います!」

図星を突かれた羞恥心で、顔が一気に熱くなるのが分かった。

私は思わず視線を泳がせた。

「図星か」

黒瀬社長は不敵に笑うと、私の背後に回り込み、そのまま後ろから強く抱きしめてきた。

彼の体温とサンダルウッドの香りが、私を完全に包み込む。

「また、飯を食いに行くか?」

「……はい」

否定するなんてできなかった。

彼の腕の中にいると、どうしても素直になってしまう。

「……可愛いな」

耳元で囁かれたその言葉に、体中の力が抜けていく。

でも、頭の中にはまだ、先ほどの美しい女性の姿が焼き付いていた。

「……さっきの方、綺麗でしたね」

わざとらしくないように、平静を装って言ってみた。

だが、腕の中の彼の体温がわずかに動くのを感じた。
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