一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
「おまえがどれだけ必死に、あのプランを練り上げたか、俺が一番分かっている。悔しいだろう? その悔しさを知っているのは、おまえだけじゃない。俺も同じだ」

彼の甘い、サンダルウッドの匂いが私の意識を真っ白にする。

「また巻き返せばいい。俺が保証する。おまえの実力は、俺が誰よりも知っている」

「……社長」

名前で呼ばれ、抱きしめられ、評価される。

こんなに苦しいのに、こんなに満たされるなんて。

私は彼の背中に手を回した。

人目なんてどうでもいい。

今だけは、この人の腕の中に閉じこもっていたい。

「美優、泣き止め。おまえの笑顔が見たいんだ」

彼は私の頬を拭い、額にまた、昨夜と同じ優しいキスを落とした。

私は彼に顔を埋め、何度も頷いた。

大丈夫。この人が見てくれている。

この人が私を求めてくれているなら、何度でもやり直せる。

営業成績なんて、所詮数字だ。

私の心と、彼の心は、誰にも汚させない。

私はそう強く自分に言い聞かせ、彼の鼓動を胸に刻み込んだ。

二人の秘密の距離は、この挫折を通して、より一層深まっていくのだと確信していた。
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