一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
「……こんなこと、本当はここでしてはいけないんだろうな」

彼は唇を離すと、少しだけ困ったように笑った。

けれどその瞳は、獲物を前にした獣のように熱を帯びている。

「でも、君が俺をそこまで追い詰めるんだ。美優、俺に溺れてくれるか?」

私は答えの代わりに、彼の首に腕を回した。

もう、戻れない。

冷徹な社長の仮面を脱ぎ捨てた彼と、この夜を越えたら、私たちは一体どうなってしまうのだろう。

そんな不安さえも、彼が吐息とともに飲み込んでいく。

「……私を、壊れるくらいに教えてください」

私の精一杯の言葉に、彼は深く息を吐き、また熱い口づけを落とした。

部屋の明かりが少しだけ落とされ、カーテンの向こう側の夜景が二人を見守っている。

あの日、失敗から始まった物語は、今、彼との甘美な溺愛の極みへと向かっていた。
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