申し訳ありませんが、わたくし、女王になりますので
「いいのよ」口元を緩めた。王都を離れて十年が経過したいまとなっては、わたくしに、仰々しい口の利き方をする人間はさほどいないし、ナノの気さくな話し方がかえって心地いい。
――城にいた頃の、大人たちの、こびへつらう眼差しといったら! 思い出すだけで寒気がする!
王族であることに敬意を払う一方で、幼いから、女だからと見下すその思想がちょっとした言葉の節々に現れていて。ある意味、離れられてせいせいしておりますの。
――ですので、わたくしは、王都に戻る気は一切なかったはずなのですが。
「ガーラが、小鹿に……?」
使いの者たちがよこした連絡はわたくしの予想をはるかに超えるものでした。――草木は、王都から続いており、噂をわたくしの元によこすことは可能だったはずなのに。わたくしを気遣って敢えて、――伏せていたのです。
使いの者は臣下の礼を保ったまま、ましてや、テーブルのうえに用意された茶器に手を付けることもなく、ただ、わたくしの命令を待っている。外に馬を待たせ、三頭連れてきているのは、わたくしを、王都に連れ戻すため。
彼らの肩からは金を編み込まれたローブが垂れ下がる。王国の紋章が左胸に。
――城にいた頃の、大人たちの、こびへつらう眼差しといったら! 思い出すだけで寒気がする!
王族であることに敬意を払う一方で、幼いから、女だからと見下すその思想がちょっとした言葉の節々に現れていて。ある意味、離れられてせいせいしておりますの。
――ですので、わたくしは、王都に戻る気は一切なかったはずなのですが。
「ガーラが、小鹿に……?」
使いの者たちがよこした連絡はわたくしの予想をはるかに超えるものでした。――草木は、王都から続いており、噂をわたくしの元によこすことは可能だったはずなのに。わたくしを気遣って敢えて、――伏せていたのです。
使いの者は臣下の礼を保ったまま、ましてや、テーブルのうえに用意された茶器に手を付けることもなく、ただ、わたくしの命令を待っている。外に馬を待たせ、三頭連れてきているのは、わたくしを、王都に連れ戻すため。
彼らの肩からは金を編み込まれたローブが垂れ下がる。王国の紋章が左胸に。


