10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
「……こ、これは何?」
ヒロくんに手招きされて空き教室に入ると、紙袋を渡された。
中を覗いたあたしは、絶句。
「何って、メイドだよ」
いや……
それは、見たらわかるよ。
わかるけど、そんなに普通に“メイドだよ”って言えるヒロくんにビックリというか……
その前に……
「どうしたの? これ」
紙袋の中から、ヒラヒラのピンクのメイド服を取り出した。
ふんわりしたスカートに、何故か猫みみと、しっぽまでついていた。
「………」
リアクションに困る。
「これ、買ったの?」
「違うよ。演劇部から借りたんだ。柏木に似合いそうだと思って」
「似合いそう…って。他に何かなかったの?」
「あったよ。他校の制服とか、スーツとか、浴衣とか」
………。
そんなに種類があるのに、何故メイド……?
「それに着替えてきてね。和馬達と廊下で待ってるから」
「えっ、ちょっ、待っ――」
ピシャリと閉まったドア。
ヒロくんを止めようと手を伸ばした自分が、何だか虚しくなった。
しばらく、ピンクのメイド服と睨めっこ。
スカート丈、短くないか?
しかも
何故ピンク
何故猫みみ
何故メイド服!!?
本当に着なきゃいけないの?
どうする、柏木ゆず。
「柏木ぃ。もう着替えたぁ?」
ドアの向こうからヒロくんの声。
どうするよ、柏木ゆず。
どうするよっ!!!!