10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
「うぉぉぉ!!! やっぱ俺の思った通り。めっちゃ似合ってるよ」
メイド服に着替え、肩を丸めながら廊下に出た。
思ったよりもスカート丈が短くて、後ろが気になる。
「……何?その格好」
感動しているのはもちろんヒロくんだけで、何も知らなかった和馬くんの頬はピクピクと痙攣していた。
「似合うだろ?メイド。演劇部から借りてきたんだよ。さすが俺。柏木の良さを引き出してるよな」
いや……
良さなんて何一つ出てないと思うよ。
強いて言えば、バカだけは丸出しだよね。
「おい」
「な、何よ」
和馬くんがジリジリと寄ってくる。
「“お帰りなさいませ、ご主人様”って言ってみ」
な、な、な、なっ!!!!
何をバカな事をっ!!!
新撰組の格好したまま、そんな事言わないでよ。
てか、普通の格好でも嫌だけど。
「言ってみろよ」
腰をグッと折ってあたしを覗き込む和馬くん。
顔が徐々に熱を持ちはじめ、変な汗が出てきた。
「……い」
「い?」
「い、言えるかぁ、んなもんっ!!!」
恥ずかしさのあまり、和馬くんを力強く押し退けた。
「ちっ、メイドのくせに生意気な」
な、なにを〜ッ!!!
「ま、いいや。おまえメイドなんだから、俺ら新撰組のために働けよな」
はぁぁ!!!?
何をえらっそうに!!!
和馬くんは、横目でフッと笑うと、頭の後ろで両手を組んで歩いていった。
なんか、ムカつくっ!!!
フンっと鼻を鳴らした。
その時、ジーっと見られてる視線を感じて、その方に目を向けた。
壁に寄り掛かっている健くんが、真っすぐにこちらを見ていた。
自然と高鳴る鼓動。
赤らむ頬。
「猫みみ、萌え〜」
「………」
そう一言つぶやいて、和馬くんの背中についていった。
そんな棒読みで言わなくても。
真面目に着たあたし、本当のバカみたいじゃん……