10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
こ、これは……
「おー、シンデレラじゃん、それ」
ヒロくんがニッコリ笑う。
「ヒロくんはなんだった?」
「俺は、こーれ」
そう言って、袋から衣装を取り出す。
一番先に目についたのは、黒のとんがり帽子だった。
あとから、黒のマントも出てきた。
「これって、魔法使い?」
「らしいね」
肩をすくめたヒロくんは、とんがり帽子をかぶった。
「似合う!!!」
「ハハッ。そう?」
「うん。早く着てみてよ」
「柏木も」
「え?」
「早く着て見せて。シンデレラ」
言われて、薄いブルーのドレスに視線を落とした。
ドレスなんて、生まれて初めて着るよ。
しかも、シンデレラって。
幼稚園のお遊戯でも、こんな衣装なかったのに。
ドレスに身を包み、背中のファスナーに手を伸ばす。
けれど、体のかたいあたしは、ファスナーを上げるのに限界があった。
「ハハッ。俺がやってあげるよ」
悪戦苦闘するあたしの背中に回り、ヒロくんが上までファスナーを上げてくれた。
「ありがと――」
ヒロくんを振り返った瞬間。
言葉を失った。
あたしの目の前には、まるで絵本から飛び出してきたかのような魔法使いが。
全身黒のスーツで、背中ではマントが風に揺れていた。
「か、カッコイイ……」
自分でも、赤面したのがわかった。
「ちゃんと着こなせてる?」
ヒロくんが困ったように笑う。
「うん!!!最高だよ。ちゃんと着こなせてる。ヒロくんの為につくられた衣装みたいっ!!!!」
「ハハッ。それ、誉め過ぎ」
眉間にシワを寄せ笑ったヒロくんは、ふと、あたしの背後に視線を移した。
「おっと。お迎えですよ。 シンデレラ」
ヒロくんに言われて、振り返る。
すると――。
「この靴のサイズに合う女性をさがしています」
完璧に衣装を着こなした2人が、それぞれヒールの靴を手にして、ひざまずいていた。