10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
「そ、そういえば。健くんのあの格好ってなに?」
和馬くんに手を引かれ、全身が熱を持つ。
「海賊じゃね?ドクロの眼帯つけてるし」
「そ、そうなんだ。結構、似合ってるよね。みんなの視線を集めてるし」
言いながら、健くんとヒロくんを振り返る。
ゴールまではそんなに距離はないのに、遥かに遠く感じる。
痛い視線が刺さり、今にも女子の群れに噛み殺されそうだ。
「前見ろよ」
――え?
腕を、グイっと引き寄せられた。
驚いて和馬くんを見上げる。
「そんなに健の事が気になるか?」
「え……いや、あの――」
「じゃあ、前見て歩けよ」
いつになく真剣な横顔。
太陽の陽射しに茶髪が反射して眩しかった。
そのままゴールしたあたし達。
順位は最後のほうだったけど。
着こなしの順位は、やっぱり上位だった。
和馬くんとグラウンドを歩いてる時から、背中に感じる視線。
そんな切ない顔してあんまりこっちを見ないで。
健くん……
健くんは、ゴールしてすぐにひとりで着替えに行ってしまった。
その背中を目で追った。
ひとごみに溶けて消えるまで、ずっと……。
「おい」
健くんの姿が見えなくなった瞬間、和馬くんに呼び止められた。
まだ執事の格好のまま。
その隣には、魔法使いのヒロくん。
「おまえ、ちょっと来い」
「ちょ、えっ!?」
無理矢理引かれた手。
よろけながらヒロくんに目をやると、魔法のスティックで空中に小さな円をかいていた。
そして――…
「チチンプイプイ、素直になぁれ」