10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
静かな保健室。
遠くで音楽は鳴っているけれど、この高鳴る鼓動を隠してはくれなかった。
きっと、壁にかかっている時計の秒針より、音が大きいと思う。
頬が赤くなったのを見られないように俯いた。
窓から流れ込んできた風が、ゆったりとカーテンを揺らす。
フッ。 と、和馬くんが笑った。
「なに黙り込んでんだよ」
椅子から立ち上がった和馬くん。
グッと腰を折って、俯くあたしを覗き込んできた。
「べ、別に?」
「フン。別にって。おまえ、顔、超真っ赤」
言われて、ハッと頬を両手で覆う。
「別に、赤くなんかなってないよ!!!」
「なってんじゃん。なんなら、鏡見てみるか?」
ニヤリと口角を上げ、保健室に置いてあった大きめの手鏡を取った。
あたしの背中から回り、目の前に鏡を持ってくる。
鏡の中で、目が合った。
「ほら、やっぱり頬が赤いですよ、シンデレラ。具合でも悪いんですか?」
「な、何よそれ」
「手当、いたしましょうか?」
「ひ、必要ありません!!!」
「それでは困ります。シンデレラの具合が良くなるまで、私は気が気ではありません。何なりとお申しつけ下さい」
和馬くんは、胸元に手を当てると、軽くお辞儀をした。
何なりと……って
「別に、具合が悪いわけじゃ……」
「では、何かお気に召されないことでも?」
「いや、だから……」
「………?」
ジッとあたしを見る和馬くん。
グッと俯いたあたし。
膝の上で拳を握り、唾を飲み込んだ。
「和馬くんが、柄にもなく、急に優しくしたりするから……調子が狂っただけ」
どうして、そんなに優しくしたりするの?
と、続ける。
「どうしてかって?」
和馬くんはあたしの目の前まで歩み寄ると、またさっきみたいにひざまずいた。
「シンデレラの、執事だからですよ?」