10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
ガシャン!!!
と、耳に残った大きな音。
力強く体を押されて、自分がフェンスに飛ばされたんだって気がついた時には。
「ムカつくっ!!!」
彼女に、馬乗りにされていた。
髪を強く引っ張られる。
「何なのよっ、その言い方!!!ちょっと優しくされてるからって調子に乗らないで!!!何が正々堂々とよっ!!!あんただって卑怯な手を使ってるくせにっ!!!」
彼女の右手がグッと上にあがった。
今度こそ殴られる!!!
と、また固く目を閉じた。
「ゆずっ!!!!」
屋上のドアの方から人の声。
恐る恐る目を開けた瞬間、今まで馬乗りになっていた彼女がどこかへ消えた。
そして――…
息を荒くした人物が、あたしの上半身を抱きかかえ、彼女を睨みつけていた。
「てめぇ……ゆずに何しやがった」
今まで聞いたことのない低い声。
「………」
「黙ってねぇで答えろっ!!!」
ビクっと跳ねる彼女の肩。
涙目になった彼女は、唇を噛み締めて屋上から走り去っていった。
急に静けさに包まれた屋上。
体中が痛い……。
特に、頬が……。
「大丈夫か?」
あたしの上半身を支え、ゆっくりと起き上がらせてくれる。
……和馬くん。
そんなに息を切らして……
「悪い。遅くなった」
とても優しい声。
和馬くんの手が、ゆっくりとあたしの頬に触れた。
あ……すごく温かい。
「痛かっただろ?」
ごめんな。
そう言って、頬の擦り傷を指でなぞった。
その瞬間、安心感からか、ハラハラと涙がこぼれた。
あんなに強気なことを言っておきながら、内心ビクビクだった。
怖かった……
「ゆず……」
「……ッ…!!」
目の前が、真っ暗。
息が苦しい。
すぐ近くで、和馬くんの、心臓の音。
「……ごめん」
耳元でこもる、和馬くんの声。