10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!

あたしに伸ばしていた手を、ゆっくり引く健くん。

和馬くんも、健くんも。

一体、どうしたの?

いつもは、こんなんじゃないじゃん。

俺様で自己中な和馬くんと、クールで大人な健くんじゃないと、どうしていいかわからなくなっちゃうよ……。

どうしたら、いいか……。

健くんの手がだらんと下に落ちると、それを合図にするように和馬くんが歩き出した。

眉間にしわを寄せる健くんが気になって、顔だけで振り返る。

健くんの視線は、真っすぐあたしに向いている。

そんな切ない目をして。

真っすぐな瞳で、あまり、あたしを見ないで……。

「ゆずっ!!」

健くんの眉間のしわがグッと深くなった。

「あれ、冗談なんかじゃねぇから」

「……え?」

「冗談で、あんな事言わねぇから」

健くんの声があまりにも真剣すぎて、歩く事ができなかった。

でも、和馬くんに無理矢理体を引かれる。

ブレーキをかける足と、力強く引っ張られる腕。

「行くぞ」

健くんに何も答えることができずに、屋上を後にした。

< 98 / 176 >

この作品をシェア

pagetop