愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
こうしてやわらかい部分を重ね合わせていると、胸に温かい気持ちが湧いてくる気がする。
もしかしたら、誰かを好きになるって……こんな感じなのだろうか。
ぼんやりそんなことを思っていると、知隼さんがふいに熱い吐息をこぼす。そして、私の頬を優しく撫でると、困ったように笑った。
「……危なかった。お前の体調が万全だったら、止まれなかったかもしれない」
自嘲気味に囁かれた言葉と、微笑みながらももどかしそうに熱を宿したままの瞳。
それらを認めた瞬間、胸がギュッと締めつけられるような痛みを覚え、息が詰まってしまう。
「買い物ついでに頭を冷やしてくる。留守番、よろしくな」
スッとベットから離れた彼が、ドアの向こうに消えていく。それでも胸の高鳴りはなかなか収まらない上、私は自分の中に生まれた初めての感情に戸惑っていた。
彼が『止まれなかったかもしれない』と言った瞬間、衝動的に『止まらなくていい』と思ってしまったのだ。
いくら本物の夫婦を目指していると言ったって、そこは越えてはいけない一線な気がする。
……頭を冷やすべきなのは、きっと私の方だ。
体の内側にこもった熱を逃すように、私は細く長く息を吐く。
そうしてまたベッドの中で目を閉じたけれど、かき乱された心が落ち着く気配はなかった。