愛しい俺様パイロットと、今日もいちゃいちゃ舌戦中
それを自覚させるためにも、俺は訓練の後で綺美に少々厳しい言葉をかけた。
『俺が本物の乗客だったら、二度とこの航空会社の飛行機には乗りたくない。お前のようなCAには命を預けられない』
彼女はかなりショックを受けたように見えたが、キュッと唇を引き締めて涙は見せなかった。
俺を見つめる瞳には、次こそはうまくやってみせようと決意したような強さもあった。
このCAは、いずれ頼もしい仲間になっていく気がする――。
それが、初対面の綺美に対して抱いた印象だった。
その後、頻繁ではないが彼女とフライトを共にする機会もあり、なんとなく後輩を見守るような気持ちでいた俺だが、翌年のリカレントで偶然また彼女と一緒になった。
煙の立ちこめる客室で呆然としていた彼女は、いったいどれほど成長しただろう。俺は試すように彼女に近づき、挑発的に言った。
『またお前か。……今度はミスをするなよ』
綺美は一瞬ムッとした顔をしたが、すぐに気持ちを切り替えて訓練に臨んでいた。その成長ぶりには目を見張るものがあり、教官も彼女を褒めていた。
俺はその嬉しそうな姿を見守るだけでよかった――はずなのだが、気づけばまた彼女の方へ足が向いていた。
最低限の合格ラインをクリアしただけなのだから、慢心するな。
気の強い彼女には、それくらい言った方が効果的な気がしたのだ。