みてぃ
その時だった。

コンコン。

個室の扉がノックされる。

「来た来た」

莉美の旦那さんが立ち上がる。

私は何気なくお茶を飲んだ。

そして扉が開く。

「遅れてすみません」

聞き覚えのある声だった。

胸の奥が妙にざわつく。

顔を上げる。

次の瞬間。

持っていた湯呑みを落としそうになった。

「……え?」

視界が止まる。

呼吸も止まる。

そこに立っていたのは。

四か月前。

ホテルのロビーで会ったあの人。

ライブのステージで輝いていたあの人。

天宮 翠だった。
< 7 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop