拳にモノを言わせますけどよろしくて?
「ああ不愉快! ……それよりユーニス、私のこと『かっこいい』って言ってくれた可愛い子は誰なのかわかる? 王族でしょ?」
「あのお子さまには嫁げませんよ、まだ六歳ですから」
「嫁がないわよ!」

 さすがにあの子の成人を待つつもりはない。たんに可愛いからお近づきになりたいだけだ。親戚のお姉さん、あるいは叔母さんとして遊んでみたいじゃないか。

「あれはエドゥアルドさまです。王弟殿下フェリスベルトさまのご子息ですね」
「そう……おしゃべりをたしなめていらした方は王弟殿下なの? 陛下の弟君にしてはお若いわ」
「二十九歳です。陛下と十四歳の差があるのは、お母上が違うからですよ。陛下の母君は最初の王妃さま。その方が亡くなられた後に妃に入られたのがエリセテさまで、今の太后さまです。エリセテ太后さまのお子さまがフェリスベルトさまとなりますね」
「……ユーニス、全部頭に入ってるの?」

 つらつらと返答があってリュティシアの食事の手が止まった。そのへんのことはいちおうリストを見せられ教わったが、実際の人に会ってから覚えようとおざなりにしていたのだ。

「当然です。リュティさまが把握してないだろうと思いましたから」
「ああんユーニス、頼りになる!」
「ご自分もしっかりしてくださいよ!」

 ユーニスは主人だろうがおかまいなく叱りつけた。だって公の場においては侍女の身で助け舟など出しにくい。本人が対処してくれないと困るのだ。

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