拳にモノを言わせますけどよろしくて?
「だってだって、今日のはわめき散らした私がいけませんのに。会話の何が私の気持ちに引っかかったかまで分析なさって! ……恥ずかしいじゃありませんの」

 とっても情けない顔をして、リュティシアはうつむいた。
 フェリスベルトは謝る体裁を取りながら「今大切なのはリュティ」とまで伝えてくれた。話の持っていき方が理詰めすぎるきらいはあるけれど、こんな大人の対応をされたらまったく敵わないじゃないか!

「リュティ……許してくれるのかい?」
「……フェルさまこそ許してくださるの?」
「許すも何も。私はリュティを手放したくないんだよ」

 率直な意見にリュティシアの顔は真っ赤になった。いや、赤く見えているとしても、それは夕陽のせいということにしてしまおう。うん、それしかない。
 フェリスベルトは正面からリュティシアに向き合って、両手を取る。

「昔のことはともかくとして、私は今を生きているんだからね。リュティに会ってそれを思い出した。だからこれからは、リュティとの将来を考えていきたい」

 これはフェリスベルトにしては精一杯の愛の告白だ。そばにいて共に歩んでほしい、という。でもリュティシアの気がかりはまだ晴らされていなかった。

「エディの母君を――愛していらっしゃる?」

 とうとう訊いてしまった。それはリュティシアがいちばん怖れていること。愛を抱いたままの人のところへ割り込むなんてしたくない。もしそうならば、自分はエドゥアルドの母としてここにいるだけでよいのだ。
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