拳にモノを言わせますけどよろしくて?
息子の手を取ったリュティシアは、サラリとした生地のワンピースを着ていた。夏らしい水色を選んだのはフェリスベルトの瞳の色も意識してのことだ。グレーのスラックスに白シャツのフェリスベルトも榛色のスカーフをゆるく襟に飾っている。いちおう恋人コーディネートなのだった。
今日は王弟の婚約者として民の間に出る初めての機会となる。ガルディアの王女は親しみやすく明るい人柄で、王弟一家となじんでいると人々に印象づけねばならなかった。
「まあリュティはいつも通りにしていれば大丈夫だよ」
「あら。信用されてますのね」
微笑み合って、一行は王宮を出た。
すぐそこの広場ではまだ凍結機械が準備中。そこにいた晶術師たちと親しく言葉を交わして励ますと、フェリスベルトはリュティシアに説明する。
「機械で氷を作ってみせるんだ。後で見にこよう」
「氷! 夏にピッタリですわね」
「晶化術を反転させる仕組みをうまく使えたと思う。近年でいちばんの発明だな」
「反転……?」
リュティシアは首をかしげた。
晶化術が暮らしに利用されているのは知っている。結晶灯火も、結晶動力も。それは晶化術とは違うのだろうか。フェリスベルトは簡単に説明した。
「感情を結晶化するのが晶化術だ。そしてその結晶を、力へと戻していくのが反転晶術。結晶はそこに置いておくだけでは働かないんだよ」
今日は王弟の婚約者として民の間に出る初めての機会となる。ガルディアの王女は親しみやすく明るい人柄で、王弟一家となじんでいると人々に印象づけねばならなかった。
「まあリュティはいつも通りにしていれば大丈夫だよ」
「あら。信用されてますのね」
微笑み合って、一行は王宮を出た。
すぐそこの広場ではまだ凍結機械が準備中。そこにいた晶術師たちと親しく言葉を交わして励ますと、フェリスベルトはリュティシアに説明する。
「機械で氷を作ってみせるんだ。後で見にこよう」
「氷! 夏にピッタリですわね」
「晶化術を反転させる仕組みをうまく使えたと思う。近年でいちばんの発明だな」
「反転……?」
リュティシアは首をかしげた。
晶化術が暮らしに利用されているのは知っている。結晶灯火も、結晶動力も。それは晶化術とは違うのだろうか。フェリスベルトは簡単に説明した。
「感情を結晶化するのが晶化術だ。そしてその結晶を、力へと戻していくのが反転晶術。結晶はそこに置いておくだけでは働かないんだよ」