拳にモノを言わせますけどよろしくて?

 愛をささやかれたリュティシアは放心してしまう。
 似た痛みを抱える者として、フェリスベルトはリュティシアを心から愛した。もうこの人はこれ以上傷つくべきじゃないと信じる。
 そうリュティシアに伝えたかった。フェリスベルトの言葉を受け入れてほしい。

「リュティはきっと、ガルディアの息吹に愛されているんだよ。だからリュティが拒否した〈看破〉も欠片だけ残された。リュティを守るためにね」

 そうだろうか。リュティシアはまだ故郷の森と湖に包まれているのだろうか。

「エディを助けてくれたろう? あの時リュティは間に合った。だからもういい。もう悔やまなくていいんだ」

 フェリスベルトの胸にうずまりながら、リュティシアは静かに目を閉じる。

 もういい。

 そう言ってくれて、救われた気がした。


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