拳にモノを言わせますけどよろしくて?
「すまないな、エディ」
「じゃあトウカート(・・・・・)はいかないで? ぼくとおけいこしようよ!」
「そっちか……」 

 フェリスベルトは悲しそうにうめいた。
 父が出掛ければ従者トルカートもいなくなる。せっかく楽しく剣の持ち方を教えてもらっているのに、というエドゥアルドの主張なのだった。

「あの、フェリスベルトさま」

 トルカートは苦笑いしながら提案した。

「よろしければ、エドゥアルドさまに騎士団の鍛錬場などをご見学いただいてみては?」
「ああ、なるほど……」

 今のエドゥアルドの学習は、文字の読み書きと計算を習いはじめたところ。しかし貴顕のたしなみとしての剣術馬術にも少しずつ触れていくべきだろう。

「興味を持った時が始め時と言うしな」
「うん! ぼく、いってみたい!」

 エドゥアルドがはじけるような笑顔で申し出た。その明るさに、フェリスベルトは救われる気がした。


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