拳にモノを言わせますけどよろしくて?
 リュティシアが考えた結論。それはアルヴェインにおいて編み出された特別な魔法なのでは、というものだった。
 人を黒い影で包み、心をあやつる。そんな呪いのようなこと魔法としか思えなかった。しかも何故かエドゥアルドはそれを解いてしまえるのだ。
 みずからの気鬱が取りのぞかれて、王は戸惑い考えた。

「心に働く――それは晶化術より他にあり得ないが。しかしあれは負の澱みを吸い出すもので」
「いいえ!」

 いきなりフェリスベルトが叫んだ。その頬が強張っている。

「反転晶術――取り出し集めた負の結晶を、反転させて人に流し込めば――!」

 フェリスベルトが関わってきたのは、機械へと反転させ働かせる使い方。しかし理論上は人間に使うこともできるはずだ。
 施術された者の中にその苦しみは溜まっていく。
 黒く。真っ黒く。影に飲み込まれあやつられるほどに。だからそれは禁術となっているはず。

「――ジェレミアスはどこにいる」

 低い声で王は問うた。


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