拳にモノを言わせますけどよろしくて?
「――して、どのようなお話でしょうか」
リュティシアがエドゥアルドにデレているので、仕方なく外務卿が口火を切った。
なるべく冷静な口調を心掛けたが、昨日のセミオン王子の態度はガルディア王国に対する侮辱だ。それに皆の愛するリュティシア王女を「馬鹿力女」と罵るなど、万死に値する暴言。外務卿は内心たいそう憤慨している。
「愚息が犯した無礼、お詫び申し上げる」
王の謝罪は率直だった。
こんな事態になってしまったら、ごまかしはきかない。広間に居合わせたのは高位貴族たちのみだが、その面前で外交使節団に恥をかかせたのだ。
リュティシアに対する無法は、ガルディア王国そのものを侮ったことになる。だが、そう解釈するのは待ってくれと伝えるための会談だった。
「我が国としてはこの婚約を違えるつもりはないことを明言しておく。破棄するなど、ガルディアとの信義にもとる行為だ」
「さようですな」
外務卿は深くうなずいた。釈明をいったん肯定する。が、聞きたいのは次に続く言葉だった。セミオン自身は態度をあらためるのか。リュティシアへ謝罪し夫婦関係を構築する気はあるのか。
しかし王は眉間に深いしわを寄せた。
「セミオンは……何やら意固地になっておって」
「とおっしゃいますと?」
「愛らしい末姫だと聞いていたので、守るべき、かよわい女性を想像したらしい。行動力のあるリュティシア王女の様子が心底意外だったようでな」
リュティシアはあいまいな微笑みを浮かべ黙っていた。それに関しては悪いことをしたと思う。だが外務卿は冷ややかに問い詰めた。
リュティシアがエドゥアルドにデレているので、仕方なく外務卿が口火を切った。
なるべく冷静な口調を心掛けたが、昨日のセミオン王子の態度はガルディア王国に対する侮辱だ。それに皆の愛するリュティシア王女を「馬鹿力女」と罵るなど、万死に値する暴言。外務卿は内心たいそう憤慨している。
「愚息が犯した無礼、お詫び申し上げる」
王の謝罪は率直だった。
こんな事態になってしまったら、ごまかしはきかない。広間に居合わせたのは高位貴族たちのみだが、その面前で外交使節団に恥をかかせたのだ。
リュティシアに対する無法は、ガルディア王国そのものを侮ったことになる。だが、そう解釈するのは待ってくれと伝えるための会談だった。
「我が国としてはこの婚約を違えるつもりはないことを明言しておく。破棄するなど、ガルディアとの信義にもとる行為だ」
「さようですな」
外務卿は深くうなずいた。釈明をいったん肯定する。が、聞きたいのは次に続く言葉だった。セミオン自身は態度をあらためるのか。リュティシアへ謝罪し夫婦関係を構築する気はあるのか。
しかし王は眉間に深いしわを寄せた。
「セミオンは……何やら意固地になっておって」
「とおっしゃいますと?」
「愛らしい末姫だと聞いていたので、守るべき、かよわい女性を想像したらしい。行動力のあるリュティシア王女の様子が心底意外だったようでな」
リュティシアはあいまいな微笑みを浮かべ黙っていた。それに関しては悪いことをしたと思う。だが外務卿は冷ややかに問い詰めた。