拳にモノを言わせますけどよろしくて?

20 未来を照らす光

  ✻ ✻ ✻


 駆けつけた晶術師と騎士団により場は収集された。ジェレミアスは死んでおらず、だが人形のように意識も反応もないまま連行されていった。

 あの地下室の床に描かれた反転の陣には術師たちが騒然となった。ジェレミアスが編み出した複雑な魔法だったらしい。
 王宮に満ちていたその呪いと反転晶術。何故エドゥアルドに打ち消すことができたかというと――おそらくエリセテの血によるものではないか。

「先王陛下への呪い――裏を返せば、エリセテさまへの祈りでもありますもの」

 リュティシアはそうつぶやいた。フェリスベルトもそれで納得する。
 エリセテの人生をかけがえのないものにするため勝手に奔走したジェレミアス。ひとりよがりな愛はフェリスベルトにも惜しみなく注がれていた。ということは、その子エドゥアルドにも同様なのだ。
 知らずにジェレミアスからの祝福に包まれていたエドゥアルドが触れることにより、呪いは霧散した――。

「だが私には黒い影など見えなかったぞ」
「……大人だからじゃありませんこと?」

 リュティシアはひと言で片づける。だって幼い子には不思議な力があるものだ。
 ――それにリュティシアは大人の余裕を持つフェリスベルトが好きなのだから、このままでいてほしい。


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