拳にモノを言わせますけどよろしくて?
  ✻ ✻ ✻


 大きな事件はあったものの、リュティシアとフェリスベルトの結婚式は予定通り行われた。
 だがまだ快復しきらず傷痕が痛々しい王子二人は欠席し、親族席はやや寂しい状態。ガルディアから来た使節団に気をつかわせることになり国王は陳謝した。

 エリセテはなんとか式には出席したが、ジェレミアスの本心を知って衝撃を受け、ますます引きこもりがちになっている。
 犯人ジェレミアスの体は衰弱し、そのまま――静かに葬られた。エリセテはまだ墓参する気にはなれないと言っている。

 太子の地位を返上したパルミロは妃フロリアーナの献身に支えられているらしい。そしてセミオンも、巻き込まれて怪我をしたモンサント侯爵令嬢アデリアを謝罪と見舞いに訪れたとか。

 だがその王太子の空位が問題であり――。



「フェリスベルト、おまえを呼び出したのは他でもない、この国の跡を継ぐ者をどうするかという話だ」

 王族たちが集まった内輪の会議で、王は重々しく切り出した。
 国王夫妻、パルミロ夫妻、セミオン。そしてフェリスベルトとリュティシアの新しい夫婦、その子エドゥアルド。
 たったそれだけの王家。この中でアルヴェインを率いる体制を続けていかねばならない。呪いが消え、これからまた子が産まれるかもしれないが、とにかく今の国内を安定させなければならなかった。

「陛下――次代はパルミロとセミオンが共同で統治する、などではいかがでしょうか」

 フェリスベルトはあらかじめ考えておいた案を提示した。みずからに要請があっても受けるわけにはいかない。
 ジェレミアスは、エリセテの子であるフェリスベルトに国を渡すべく暗躍したのだ。フェリスベルト自身は罪に問われていないが、おめおめとジェレミアスの思惑通りに王位を継ぐつもりなどなかった。

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