拳にモノを言わせますけどよろしくて?

5 契約両親

  ✻ ✻ ✻


 待つこと数日。ガルディアから正式な返書が届き、リュティシアとフェリスベルトの婚約は認められた。
 外務卿によれば、向こうの国王夫妻は事の成り行きにひっくり返って驚き、軍を招集しかけたらしい。

「どうしてそう血の気が多いの?」

 我が両親ながら、さすがガルディアを武によって守る家だと思う。
 だが婚約破棄された瞬間すかさずセミオンを殴り返したリュティシアがそれを言うのか。ユーニスは視線を泳がせ、外務卿は咳払いした。

「姫さまがエドゥアルドさまをお気に入りだということで、踏みとどまったそうですぞ」
「よかったわ。私、お相手がセミオンさまでなくなって喜んでいるんだもの。フェリスベルトさまの方が断然素敵!」
「それに――恩を着せておけば、後々リュティシアさまの立場が強くなりますので」
「……そういう計算はあるのね」

 もちろんだ。愛娘を嫁がせるのだから、大切にしてもらわねば困る。何かあれば取り返すことも辞さず、という姿勢を突きつけての婚約許可なのだった。アルヴェインとしては飲まざるを得ない条件だ。

「じゃあ私もう、晴れてエドゥアルドさまのお母さまだわ!」
「いいえ忘れないでください、その前にフェリスベルトさまの妻なんですよ」

 ユーニスは注意するが、リュティシアの耳はそれを右から左へ聞き流していた。


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