拳にモノを言わせますけどよろしくて?
  ✻ ✻ ✻


「お母さま、これからよろしくおねがいしますっ」

 話がまとまり、本格的に家族となる覚悟を決めたリュティシアとフェリスベルト。父から教えられたのか、エドゥアルドはきちんと挨拶してみせた。

 今日顔を合わせたのは家族になる三人だけだった。場所は最初に面会したあのプライベートガーデン。気楽に、なごやかに話したいので散策しながら会うことにした。

「こちらこそどうぞよろしく、エドゥアルドさま」
「もう母親になるのだから、エディに敬語は使わないでください」
「ああ、そうですわね」

 フェリスベルトの指摘にリュティシアは目をしばたたく。

「では……エドゥアルド、と」
「お母さまもエディってよんでよ! お父さまとおそろい!」

 こてん、と首をかしげて甘えてるエドゥアルドにリュティシアはあっさり白旗を上げる。ならば「エディ」で決まりだ。

「ではフェリスベルトさまも、私にざっくばらんに接してくださいませね?」
「……というと」
「丁寧語はおやめになって。なんなら私のことも愛称でリュティと呼んでくださってかまいませんけど」
「リュティ……いや、なんだか照れるな。まずはリュティシア、から始めてもいいだろうか」
「ぼくはお母さまってよぶよ?」
「ふふ、望むところだわ、エディ!」
 
 義理の母子は手を取ってクルクル踊り、ついでに追いかけっこを始めた。
 植え込みの間をひらり、ひらりと舞うように逃げるリュティシアが楽しそうで、フェリスベルトは目が離せなくなる。

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