拳にモノを言わせますけどよろしくて?
王弟一家を長年取り仕切っているベテラン執事のヴァルターは気取って応えてくれた。
これは外国から嫁いできてくれるリュティシアにアルヴェインの良さを知ってもらうまたとない機会。そして王族としてのエドゥアルドが見聞を広め下々の生活に触れる大切な学習なのだ。腕が鳴るというもの!
「フェリスベルトさまがおもむいた倉庫街には、海運会社や商会がたくさんございます。その近くには船員たちが使う宿も多く……」
「私たちもそちらに泊まるのかしら?」
「いえ、彼らの中には荒っぽい者もおりますので。町の表通りを抜けて少し丘を登ったところに大きめの宿をお取りしました。お部屋から海もながめられます」
「まあ……楽しみねエディ」
「うん!」
「今のお二人はちょっと裕福な商家か下位の貴族ぐらいのいでたちをなさっておいでですから……道々のお店をのぞいてみましょう。お買い物もどうぞ。何事も勉強だとフェリスベルトさまより申しつかっております」
そう。本日の旅装は町を見て歩いても違和感のないように簡素にしてある。あんまり上等な服装をしていると大げさにかしこまられたり、逆にぼったくりの押し売りにあったりするかもしれないとフェリスベルトが配慮したのだ。
「私以外は、トルカートら護衛たちもやや離れて歩きますので」
「まあ……ありがとう」
チラリと後ろを見ると、同じく港町を初体験しているユーニスが落ち着かなげにキョロキョロしていた。そっちはカティアが並んでくれているので問題ないだろう。リュティシアはエドゥアルドとニッコリ顔を見合わせる。
「じゃあ楽しくお散歩しましょうね」
「うん!」
「さあ突撃!」
義理の母子は、勇ましく石畳に足を踏み出した。
これは外国から嫁いできてくれるリュティシアにアルヴェインの良さを知ってもらうまたとない機会。そして王族としてのエドゥアルドが見聞を広め下々の生活に触れる大切な学習なのだ。腕が鳴るというもの!
「フェリスベルトさまがおもむいた倉庫街には、海運会社や商会がたくさんございます。その近くには船員たちが使う宿も多く……」
「私たちもそちらに泊まるのかしら?」
「いえ、彼らの中には荒っぽい者もおりますので。町の表通りを抜けて少し丘を登ったところに大きめの宿をお取りしました。お部屋から海もながめられます」
「まあ……楽しみねエディ」
「うん!」
「今のお二人はちょっと裕福な商家か下位の貴族ぐらいのいでたちをなさっておいでですから……道々のお店をのぞいてみましょう。お買い物もどうぞ。何事も勉強だとフェリスベルトさまより申しつかっております」
そう。本日の旅装は町を見て歩いても違和感のないように簡素にしてある。あんまり上等な服装をしていると大げさにかしこまられたり、逆にぼったくりの押し売りにあったりするかもしれないとフェリスベルトが配慮したのだ。
「私以外は、トルカートら護衛たちもやや離れて歩きますので」
「まあ……ありがとう」
チラリと後ろを見ると、同じく港町を初体験しているユーニスが落ち着かなげにキョロキョロしていた。そっちはカティアが並んでくれているので問題ないだろう。リュティシアはエドゥアルドとニッコリ顔を見合わせる。
「じゃあ楽しくお散歩しましょうね」
「うん!」
「さあ突撃!」
義理の母子は、勇ましく石畳に足を踏み出した。