拳にモノを言わせますけどよろしくて?

13 お母さまって誰のこと

  ✻ ✻ ✻


 今日のリュティシアは、エドゥアルドとの遊びをおあずけにされていた。朝いちばんで結婚式の打ち合わせに呼ばれたのだ。
 招き入れられたのはフェリスベルトの応接室だった。普段エドゥアルドと会う家族の居間とは別の部屋。リュティシアがそこに足を踏み入れるのは初めてだった。
 ガルディアから来る招待客の確認はリュティシアでなければできない。式場や式次第についても、ガルディアの風習に照らして礼を失していないかチェックするよう要請された。

「……あまり盛大にしなくてもよろしいのに」

 リュティシアはぼやいてしまった。式は仕方ないけれど、宴が。
 冴えない顔をされてフェリスベルトは怪訝な表情だ。

「ガルディアでは結婚祝いの宴を開く習慣がない、と……?」
「いえ、ありますわ。でもこの出席者名簿……もっと内輪でもいいような気がして」
「そうか……ガルディアの客人に対してアルヴェイン側が少々多いかな。検討しよう」
「ええと……」

 そういうことでもない。
 リュティシアはつまり、仰々しいことが面倒なのだ。晩餐会などせずに親しい人たちに「おめでとう」と言ってもらえたらそれでいい。
 だがフェリスベルトは苦笑いだった。

「リュティはガルディアの王女だ。外交行事でもあるのだから、欠かすわけにはな」
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