拳にモノを言わせますけどよろしくて?
ひと通りの確認事項をクリアし、リュティシアはエドゥアルドの待つ居間へ向かった。だがフェリスベルトの方は仕事があるため、宮廷の執務室へおもむかなければならない。
私室へ上着を取りに戻ったフェリスベルトは、ふと壁に先妻の肖像画が飾ってあることに気づいた。
もう景色の一部となっていてろくに目に入っていなかった女性の姿。エドゥアルドと同じ淡い緑の瞳が慎ましく微笑んでいる。今の今までこの絵を放ったらかしだったことに我ながら驚いた。
(――これは片づけさせないと)
自分の配慮のなさに嫌気が差した。リュティシアはまだここに立ち入ったことがなかったが、以前の妻の肖像など不快に決まっている。見られる前でよかった。
「本当に……女性のあしらいというものがなっていないな、私は」
今もリュティシアとの会話がなんとなくギクシャクしていた気がする。要分析だ。
とりあえず肖像画については、取り外すようヴァルターに言おう。しかし「やっと気づきましたか」ぐらいの小言は覚悟せねばなるまいと考えると、フェリスベルトは深いため息をついた。
私室へ上着を取りに戻ったフェリスベルトは、ふと壁に先妻の肖像画が飾ってあることに気づいた。
もう景色の一部となっていてろくに目に入っていなかった女性の姿。エドゥアルドと同じ淡い緑の瞳が慎ましく微笑んでいる。今の今までこの絵を放ったらかしだったことに我ながら驚いた。
(――これは片づけさせないと)
自分の配慮のなさに嫌気が差した。リュティシアはまだここに立ち入ったことがなかったが、以前の妻の肖像など不快に決まっている。見られる前でよかった。
「本当に……女性のあしらいというものがなっていないな、私は」
今もリュティシアとの会話がなんとなくギクシャクしていた気がする。要分析だ。
とりあえず肖像画については、取り外すようヴァルターに言おう。しかし「やっと気づきましたか」ぐらいの小言は覚悟せねばなるまいと考えると、フェリスベルトは深いため息をついた。