Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
優海が名前を呼んだ声は、かすかで、
震えていて、
でも確かに咲いた花のようだった。

その声を聞いた瞬間、
胸の奥が熱くなった。

優海は俯いたまま、言葉を探していた。

逃げる気配はなかった。
拒む気配もなかった。

ただ——
揺れていた。

久遠はそっと手を伸ばし、
優海の指先に触れた。

優海は、
ゆっくりと顔を上げた。

その目に宿った光は、
影の色ではなかった。

「……久遠くん、私……。
 久遠くんの気持ち、わかっていたのに……ずっと気づかないふりしてごめんね」

言葉にならない声が、
確かに久遠の胸に届いた。

優海の心が、
初めて自分に向かって咲いた瞬間だった。

ふたりの距離は、もう“触れた温度”だけではなく、
“咲いた声”で結ばれた。

それが、この日の意味だった。
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