Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
会議室の空気はいつもより少しだけ重く感じられた。
琉生と向かい合って座るのは久しぶりに思えて、資料を広げながら柚歩は胸の奥がざわつくのを抑えようとした。

——避けていたわけじゃない。
——でも、怖かった。

そんな思いが言葉にならないまま胸に溜まっていく。

「……ここ、修正した方がいいと思います」

柚歩が資料を指差すと、琉生は静かに頷いた。

「はい。葉山さんの意見で、方向性が固まります」

その言い方は責めるでもなく、距離を詰めるでもなく、ただ“尊重”だけが滲んでいた。
それが余計に苦しかった。

会議が終わり、他のメンバーが部屋を出ていく。
柚歩も立ち上がろうとしたその時だった。

「葉山さん」

呼び止められた。
心臓が跳ねる。
振り返ると、琉生が少しだけ迷ったような表情をしていた。

「……最近、話しかけづらい雰囲気にしてしまっていたなら、すみません」

柚歩は息を呑んだ。

——違う。
——あなたのせいじゃない。

でも言葉が出ない。
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