Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
琉生は息を呑んだ。

——やっぱり、この声だ。
間違いない。これがこのプロジェクトには必要だ。

胸の奥が熱くなる。痛いほどに。

久遠は目を細めた。

「……光の扱い方が、誰かに似ている。兄さんが言っていた意味がわかった気がする」

その呟きは誰にも届かないほど小さかった。

優海は静かに目を伏せた。
柚歩の声が胸の奥に優しく刺さる。

——この子は、どれだけの痛みを抱えて歌っているんだろう。
ーー痛みのなかの光が見えた気がする。

要はモニターを見つめながら小さく頷いた。

「……いい。本当に、いい声だ」

美桜は資料を抱えたまま涙をこらえていた。

「……綺麗……」

柚歩は歌いながら胸の奥が少しずつ軽くなるのを感じていた。

歌うことは、やっぱり“出口”なんだ。

最後のフレーズを歌い終えた瞬間、スタジオの空気が静かに揺れた。

琉生がマイクに向かって言う。

「……すごく良かった。もう一度、お願いしてもいい?」

柚歩は小さく頷いた。

「……はい」

その声は、さっきよりも少しだけ強かった。

未来が、確かに動き始めていた。
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