Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
完成した映像が、会議室のスクリーンに静かに映し出された。
光が流れ、ジュエリーが呼吸するようにきらめき、その中心で——
柚歩の声が世界を満たした。

柚歩は自分の声を聞きながら、胸の奥がざわつくのを抑えられなかった。

——これ……私の声……
——でも、これは“仮歌”で……
——あとで本番の人が歌うはずで……

隣で要が腕を組み、美桜は資料を抱えたまま息を呑んでいた。
優海は静かに微笑み、久遠は光の軌跡を見つめていた。

映像が終わると、会議室に静寂が落ちた。
誰も動けないほど深い静寂だった。

その静寂を破ったのは、琉生の声だった。

「……葉山さん」

柚歩は肩を揺らした。
琉生はまっすぐに柚歩を見つめていた。

「この声、そのまま使わせてもらいます」

柚歩は瞬きをした。

「……え……? 仮歌……じゃ……?」

久遠が淡々と補足する。

「最初から本番用として録っています。
 “仮歌”という言葉は、あなたの負担を減らすための措置です」

優海が柔らかく微笑む。

「柚歩の声じゃないと、この光は完成しないから」

要が静かに頷いた。

「柚歩の声は、この企画の“核”なんだよ」

美桜は胸の前で手を握りしめた。

「……本当に……綺麗でした……葉山さん……」

柚歩は胸に手を当てた。

——そんなつもりじゃなかった。
——仮歌だから歌えたのに。
——でも……
 嬉しい。
 怖い。
 届くことが、まだ怖い。
 でも……前に進みたい。
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