Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
パーティーが終わり、光がゆっくりと消えていくように人々の笑い声が遠ざかった。
扉を出た瞬間、夜風が胸の奥のひびを一気に広げた。
夜の街の冷たい空気が頬に触れた瞬間、胸の奥で何かがひとつ崩れ落ちていった。
その崩れた破片が、胸の内側で転がり続けて形のない痛みになった。

家に帰り玄関の灯りが眩しくて、瞬間張りつめていたものが切れそのまま床に座り込み視界が揺れ涙が出そうになった。

「行ってほしい……
 でも……行ってほしくない……」

声にならない声が喉の奥で震え、矛盾が胸を裂き涙にならない痛みが広がり続けた。

スマホが震える。
画面には琉生の名前。
胸が跳ねる。でも指は動かない
動かしたら壊れる。
触れたら崩れる。

出たら崩れる。
声を聞いたら壊れる。
その確信だけが胸の奥に重く沈んでいて……。

「……無理……」

小さく漏れた声は、自分のものじゃないみたいで、スマホは静かに光を消した。
柚歩は崩れた心を抱えたまま、
長い夜の底へゆっくり沈んでいく。

世界は静かで、
未来は揺れたままで、
夜だけが静かに落ちていった。

――誰にも届かない場所で 心だけがひとりで沈んでいった
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