Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
「愛生のことも、家のことも……
 全部、俺が背負う。愛生もだんだん俺になついてくれてるから。
 柚歩が歌いたいなら、歌えばいい」

愛生が二人の手をそっとつないだ。
小さな手なのに、その温度は胸の奥まで届いた。

柚歩の視界がふっと滲んだ。

「……歌いたい。
 でも……あなたたちと一緒にいたい。
 離れたくない。全部、大事なの」

涙が静かに頬を伝う。

琉生は微笑んだ。
その笑顔は、光の中で影を抱えたまま進むための支えそのものだった。

「全部やればいい。
 無理なら……俺が全部背負う。
 俺を頼ってくれてかまわない」

その言葉が胸の奥に落ちた瞬間、
揺れていた光がひとつの形を持ち始めた。

柚歩は愛生の手を握り、琉生の手を握り、ゆっくりと息を吸った。

――進む方向が、静かに決まっていく。
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