花売り令嬢の身請け~公爵様は一目惚れに抗えない~
翌日、エリーゼは決心した。
ここを、出よう。
このまま居続けるのは、レオナールの負担になるだけだ。
荷物をまとめ始めた。持ってきたものはほとんどない。
すぐに終わる。
服だけは、何枚か頂こう。
どこか住み込みで働けるところを見つけて。
「エリーゼ?何をしているんだ?」
「レオナール様……」
「荷物をまとめて、どこに行くつもりだと聞いている」
ドアの前に、レオナールが立っていた。
レオナールの声は、怒気を帯びていた。
「その、最近お忙しそうですし、私がいると邪魔かと……」
「邪魔?」
「避けられているように感じたんです。もう、私のことは――」
「馬鹿を言うな」
「大丈夫です。お金は、働いて返します」
レオナールがエリーゼの荷物を取り上げた。
レオナールは深く息を吐いた。
「僕が忙しかったのは、君のためだ」
「え……?」
「話すつもりだった。全部準備が整ってから。でも、順番が逆になってしまったな」
レオナールはエリーゼを椅子に座らせ、自分も向かいに座った。
「僕はこの数週間、君の父親を探していた」
「お父様を……?」
「ああ。フォンテーヌ伯爵は、破産後に行方不明になったと聞いた。でも、君を教会に売ったのは、伯爵じゃない。教会の連中が勝手にやったことだ」
「そんな……」
エリーゼの手が震えた。
レオナールの説明にエリーゼの瞳から涙が溢れた。
父は、生きていた。
「だから、ちゃんと君に釣り合う状況を作ってから、告白しようと思っていたんだ」
エリーゼの涙が止まらなかった。
レオナールが苦笑した。
「僕が不器用すぎたな」
「ごめんなさい、私――」
「謝るのは僕の方だ。ちゃんと説明すればよかった」
レオナールがエリーゼの涙を優しく拭った。
エリーゼは泣きながら笑った。
「レオナール様は、本当に優しいんですね」
「エリーゼ、改めて聞かせてほしい。僕と結婚してくれないか」
「でも、結婚はしないって――」
「君が変えてくれた」
エリーゼの心臓が激しく打った。
レオナールが真剣な目で見つめる。
「君といると、幸せになれると信じられる。両親のような関係じゃない、本当の愛がある結婚ができると」
「レオナール様……」
「愛している、エリーゼ。君だけを」
「はい。私も、愛しています」
エリーゼは泣きながら頷いた。
レオナールが立ち上がり、エリーゼを抱きしめる。
「じゃあ、約束は果たされたな」
「約束?」
「僕が結婚したいと思うまで、キスも何もしないって」
レオナールが悪戯っぽく笑った。
「今、すごく結婚したいんだけど?」
「それは、その……」
「だからもう、いいよね?」
エリーゼの顔が真っ赤になった。
レオナールが顔を近づける。
今度は、エリーゼは逃げなかった。
唇が重なった。
優しくて、温かくて、愛に満ちたキス。
長い長いキスの後、レオナールが囁いた。
「君の味がする。花の蜜みたいだ」
「も、もう!」
「これからは、毎日キスしていいんだよね?」
「それは……はい」
エリーゼは恥ずかしそうに頷いた。
久しぶりの抱擁からの触れ合う唇。
それは、まるで初めてのキスのように、二人を震わせる。
ここを、出よう。
このまま居続けるのは、レオナールの負担になるだけだ。
荷物をまとめ始めた。持ってきたものはほとんどない。
すぐに終わる。
服だけは、何枚か頂こう。
どこか住み込みで働けるところを見つけて。
「エリーゼ?何をしているんだ?」
「レオナール様……」
「荷物をまとめて、どこに行くつもりだと聞いている」
ドアの前に、レオナールが立っていた。
レオナールの声は、怒気を帯びていた。
「その、最近お忙しそうですし、私がいると邪魔かと……」
「邪魔?」
「避けられているように感じたんです。もう、私のことは――」
「馬鹿を言うな」
「大丈夫です。お金は、働いて返します」
レオナールがエリーゼの荷物を取り上げた。
レオナールは深く息を吐いた。
「僕が忙しかったのは、君のためだ」
「え……?」
「話すつもりだった。全部準備が整ってから。でも、順番が逆になってしまったな」
レオナールはエリーゼを椅子に座らせ、自分も向かいに座った。
「僕はこの数週間、君の父親を探していた」
「お父様を……?」
「ああ。フォンテーヌ伯爵は、破産後に行方不明になったと聞いた。でも、君を教会に売ったのは、伯爵じゃない。教会の連中が勝手にやったことだ」
「そんな……」
エリーゼの手が震えた。
レオナールの説明にエリーゼの瞳から涙が溢れた。
父は、生きていた。
「だから、ちゃんと君に釣り合う状況を作ってから、告白しようと思っていたんだ」
エリーゼの涙が止まらなかった。
レオナールが苦笑した。
「僕が不器用すぎたな」
「ごめんなさい、私――」
「謝るのは僕の方だ。ちゃんと説明すればよかった」
レオナールがエリーゼの涙を優しく拭った。
エリーゼは泣きながら笑った。
「レオナール様は、本当に優しいんですね」
「エリーゼ、改めて聞かせてほしい。僕と結婚してくれないか」
「でも、結婚はしないって――」
「君が変えてくれた」
エリーゼの心臓が激しく打った。
レオナールが真剣な目で見つめる。
「君といると、幸せになれると信じられる。両親のような関係じゃない、本当の愛がある結婚ができると」
「レオナール様……」
「愛している、エリーゼ。君だけを」
「はい。私も、愛しています」
エリーゼは泣きながら頷いた。
レオナールが立ち上がり、エリーゼを抱きしめる。
「じゃあ、約束は果たされたな」
「約束?」
「僕が結婚したいと思うまで、キスも何もしないって」
レオナールが悪戯っぽく笑った。
「今、すごく結婚したいんだけど?」
「それは、その……」
「だからもう、いいよね?」
エリーゼの顔が真っ赤になった。
レオナールが顔を近づける。
今度は、エリーゼは逃げなかった。
唇が重なった。
優しくて、温かくて、愛に満ちたキス。
長い長いキスの後、レオナールが囁いた。
「君の味がする。花の蜜みたいだ」
「も、もう!」
「これからは、毎日キスしていいんだよね?」
「それは……はい」
エリーゼは恥ずかしそうに頷いた。
久しぶりの抱擁からの触れ合う唇。
それは、まるで初めてのキスのように、二人を震わせる。