エリート外交官の完璧なる偽装結婚 ……のはずが旦那様は私を溺愛しているみたいです?!
「黒崎さんとはどうなの? その後」
今日は約束していた千穂との飲みの日。始めに注文したビールがきてすぐに、千穂がそう尋ねた。
「どうって?」
「進展とかないの? 仁奈からデートに誘ったりとか」
「デートはないけど、一週間前に滉太郎さんのお供でパーティーには行ったよ」
「へぇ。いいねぇ、セレブで。そういうパーティーだと、黒崎さんって女の人に囲まれてたりするの? モテそうだよね」
「さすがに囲まれてはいないけど……滉太郎さんのことが好きなのかなっていう人はいた、かな……」
切なげなさくらさんの表情が頭をよぎって、私は湧き起こる後ろめたさを紛らわすようにビールを口に含んだ。
「それってどんな人? 仁奈も知ってる人?」
千穂が興味津々に聞いてくる。
「滉太郎さんの上司の娘さんだから、私もその日初めて会ったの。いい人そうだったよ。かわいらしかったし」
「元上司ってことは、父親は外交官? 役職は?」
「そこまでは知らないけど……元駐英大使って言ってた」
「うわー元大使ってエリートじゃん。その娘ってことは良いとこのお嬢様なんだね、その子。仁奈と全然違うじゃん」
「あはは、そうだね」
笑いながら言う千穂の言葉にはトゲがあった。
でも私の家が裕福でないことは事実だから、笑って受け流すしかない。
今日は約束していた千穂との飲みの日。始めに注文したビールがきてすぐに、千穂がそう尋ねた。
「どうって?」
「進展とかないの? 仁奈からデートに誘ったりとか」
「デートはないけど、一週間前に滉太郎さんのお供でパーティーには行ったよ」
「へぇ。いいねぇ、セレブで。そういうパーティーだと、黒崎さんって女の人に囲まれてたりするの? モテそうだよね」
「さすがに囲まれてはいないけど……滉太郎さんのことが好きなのかなっていう人はいた、かな……」
切なげなさくらさんの表情が頭をよぎって、私は湧き起こる後ろめたさを紛らわすようにビールを口に含んだ。
「それってどんな人? 仁奈も知ってる人?」
千穂が興味津々に聞いてくる。
「滉太郎さんの上司の娘さんだから、私もその日初めて会ったの。いい人そうだったよ。かわいらしかったし」
「元上司ってことは、父親は外交官? 役職は?」
「そこまでは知らないけど……元駐英大使って言ってた」
「うわー元大使ってエリートじゃん。その娘ってことは良いとこのお嬢様なんだね、その子。仁奈と全然違うじゃん」
「あはは、そうだね」
笑いながら言う千穂の言葉にはトゲがあった。
でも私の家が裕福でないことは事実だから、笑って受け流すしかない。