エリート外交官の完璧なる偽装結婚 ……のはずが旦那様は私を溺愛しているみたいです?!
女の子の名前はアリスと言って、イギリスから日本に旅行に来ていたらしい。
「旅行中もずっとお仕事ばっかりなの! 私、ピティちゃんに会いたいってお願いしてたのに、それもなしになったのよ。もう、ありえなかったわ!」
頬を膨らませて、アリスはお父さんとお母さんへの不満をつらつら語っている。アリスの話は共感できる部分がたくさんあって、私も幼い頃を思い出して相槌を打つ。
我が家は、私が九歳の頃にお母さんが病気で亡くなって、以来お父さんがひとりで私と亮介を育ててくれた。
営業職だったお父さんは休日も仕事へ駆り出されることも多く、お出かけはしょっちゅうなしになった。泣く亮介を宥めながらふたりで留守番したことは、数えきれないくらいある。
「それは悲しかったね。せっかく来たのに、残念だったよね」
「……ママもパパも、私のことなんてどうでもいいんだと思う」
ポツリと呟いたひとことに、胸が切なくなった。きっと今まで我慢を重ねていたんだろう。
アリスが着ているかわいいブルーチェックのワンピースは清潔感があるし、靴にも汚れはない。ひと目見るだけで、両親から愛されて育っているのだとわかる。
でも、そんなことないよとは軽々しく言えなかった。私も、幼い頃同じように思ったことがある。
「じゃあお母さんとお父さんに聞いて確かめてみよう。あと、ピティちゃんに会えなくて悲しかったってちゃんと伝えて謝ってもらおう?」
「謝らないと思う。仕方ないって言うだけだよ」
「なら、謝るまでハグは禁止って伝えたらいいよ。私も子どもの頃に同じように言ったことがあるの。そうしたら、お父さんはすぐに謝ってくれたんだ」
「旅行中もずっとお仕事ばっかりなの! 私、ピティちゃんに会いたいってお願いしてたのに、それもなしになったのよ。もう、ありえなかったわ!」
頬を膨らませて、アリスはお父さんとお母さんへの不満をつらつら語っている。アリスの話は共感できる部分がたくさんあって、私も幼い頃を思い出して相槌を打つ。
我が家は、私が九歳の頃にお母さんが病気で亡くなって、以来お父さんがひとりで私と亮介を育ててくれた。
営業職だったお父さんは休日も仕事へ駆り出されることも多く、お出かけはしょっちゅうなしになった。泣く亮介を宥めながらふたりで留守番したことは、数えきれないくらいある。
「それは悲しかったね。せっかく来たのに、残念だったよね」
「……ママもパパも、私のことなんてどうでもいいんだと思う」
ポツリと呟いたひとことに、胸が切なくなった。きっと今まで我慢を重ねていたんだろう。
アリスが着ているかわいいブルーチェックのワンピースは清潔感があるし、靴にも汚れはない。ひと目見るだけで、両親から愛されて育っているのだとわかる。
でも、そんなことないよとは軽々しく言えなかった。私も、幼い頃同じように思ったことがある。
「じゃあお母さんとお父さんに聞いて確かめてみよう。あと、ピティちゃんに会えなくて悲しかったってちゃんと伝えて謝ってもらおう?」
「謝らないと思う。仕方ないって言うだけだよ」
「なら、謝るまでハグは禁止って伝えたらいいよ。私も子どもの頃に同じように言ったことがあるの。そうしたら、お父さんはすぐに謝ってくれたんだ」