エリート外交官の完璧なる偽装結婚 ……のはずが旦那様は私を溺愛しているみたいです?!
滉太郎さんに迷惑をかけている私より、きっとさくらさんの方が滉太郎さんの結婚相手にふさわしい。滉太郎さんを一途に見つめていた健気な瞳を思い出して、ズンと気持ちが沈んだ。
「前より距離が近くなったと思ってたんだけど、違ったんだな……」
毎日ハグもしているし、本当の結婚生活のようだと思っていた。
夫婦として自然に振舞うための練習と滉太郎さんは言っていたのに、勘違いしていた。滉太郎さんにとっては、なんの意味ももたない行為だったのに。
勘違いをして、滉太郎さんにハグされる時は、いつもいっぱいいっぱいでガチガチになっていた。あの幸せな時間は採点の時間だったのかもしれない。意識しすぎて自然に振舞えない私はきっとゼロ点だった。
それも滉太郎さんが偽装結婚をやめる決断をした理由のひとつなのかもしれない。
金銭的な負担をかけているのに、偽物の妻としても役に立たない。私、ダメダメだ。自分のダメさ加減が笑える。
もう一度ため息をついた時、キッチンカウンターに置いていたスマホが震えた。手に取ると、亮介からの着信だった。
『もしもし、姉ちゃん? 体調平気?』
私が熱を出したのは先月なのに、亮介はいまだに私の体調を心配している。
「大丈夫だよ。とっても元気。どうしたの?」
気分が落ちているのを悟られないように明るい声を出した。
『申請してた奨学金が通ったからその報告。来月から今よりプラス二十万は毎月もらえる」
「奨学金って、もう貰ってるでしょ?」
「前より距離が近くなったと思ってたんだけど、違ったんだな……」
毎日ハグもしているし、本当の結婚生活のようだと思っていた。
夫婦として自然に振舞うための練習と滉太郎さんは言っていたのに、勘違いしていた。滉太郎さんにとっては、なんの意味ももたない行為だったのに。
勘違いをして、滉太郎さんにハグされる時は、いつもいっぱいいっぱいでガチガチになっていた。あの幸せな時間は採点の時間だったのかもしれない。意識しすぎて自然に振舞えない私はきっとゼロ点だった。
それも滉太郎さんが偽装結婚をやめる決断をした理由のひとつなのかもしれない。
金銭的な負担をかけているのに、偽物の妻としても役に立たない。私、ダメダメだ。自分のダメさ加減が笑える。
もう一度ため息をついた時、キッチンカウンターに置いていたスマホが震えた。手に取ると、亮介からの着信だった。
『もしもし、姉ちゃん? 体調平気?』
私が熱を出したのは先月なのに、亮介はいまだに私の体調を心配している。
「大丈夫だよ。とっても元気。どうしたの?」
気分が落ちているのを悟られないように明るい声を出した。
『申請してた奨学金が通ったからその報告。来月から今よりプラス二十万は毎月もらえる」
「奨学金って、もう貰ってるでしょ?」