エリート外交官の完璧なる偽装結婚 ……のはずが旦那様は私を溺愛しているみたいです?!
医療法人から貸与される奨学金で、医学部卒業後に法人が運営する病院に一定期間勤めれば返済が免除されるというもの。一般的な給付奨学金は、私とお父さんの年収を合わせると対象外になってしまったのだ。亮介の努力があって国立大学に進学できたから、学費は我が家の収入でなんとか払っていけるだったので、亮介の将来の負担を考えてそれ以上奨学金は借りなかった。
『それとは別のやつ。父さんは病気になって仕事を辞めたし、姉ちゃんは結婚して家を出ただろ。だから家計急変ってことで、特別に来月から借りられることになったんだ』
「それって返済が必要なものじゃないの? そんなに借りて平気なの?」
『半分くらい返済がいるけど、医者になったらたんまり稼ぐ予定だし問題ない。だから俺の奨学金も父さんの治療費に使ってよ。黒崎さんに頼りっぱなしっていうのも申し訳ないし』
亮介の言う通りだ。かといって亮介に一方的に負担を強いるのも間違っている。
答えあぐねていると、亮介が昔を懐かしむような口調で話し出した。
「俺、医者になったら姉ちゃんに絶対楽な暮らしをさせてあげようって決めてたんだ。でも姉ちゃんは結婚しちゃったから、俺の決意だけ宙ぶらりんなんだよ。だから今、姉ちゃんのためにできることをしたいんだ。俺はまだなんの力もない学生で、これくらいしかできないけど」
聞いていて目頭が熱くなった。
私の中で、亮介はずっと小さい弟のような気がしていた。でも私が思うよりもずっと亮介は大人になっていた。
「じゅうぶんすぎるよ……ありがとう、亮介……」
奨学金を借りてくれた行為というより、亮介の気持ちにお礼を言った。
『それとは別のやつ。父さんは病気になって仕事を辞めたし、姉ちゃんは結婚して家を出ただろ。だから家計急変ってことで、特別に来月から借りられることになったんだ』
「それって返済が必要なものじゃないの? そんなに借りて平気なの?」
『半分くらい返済がいるけど、医者になったらたんまり稼ぐ予定だし問題ない。だから俺の奨学金も父さんの治療費に使ってよ。黒崎さんに頼りっぱなしっていうのも申し訳ないし』
亮介の言う通りだ。かといって亮介に一方的に負担を強いるのも間違っている。
答えあぐねていると、亮介が昔を懐かしむような口調で話し出した。
「俺、医者になったら姉ちゃんに絶対楽な暮らしをさせてあげようって決めてたんだ。でも姉ちゃんは結婚しちゃったから、俺の決意だけ宙ぶらりんなんだよ。だから今、姉ちゃんのためにできることをしたいんだ。俺はまだなんの力もない学生で、これくらいしかできないけど」
聞いていて目頭が熱くなった。
私の中で、亮介はずっと小さい弟のような気がしていた。でも私が思うよりもずっと亮介は大人になっていた。
「じゅうぶんすぎるよ……ありがとう、亮介……」
奨学金を借りてくれた行為というより、亮介の気持ちにお礼を言った。