エリート外交官の完璧なる偽装結婚 ……のはずが旦那様は私を溺愛しているみたいです?!
 食べ始めてからも、滉太郎さんは苦みの残るハンバーグをおいしいと笑顔で食べてくれて申し訳なくなった。

 お皿の上の料理がなくなっていくにつれて、別の意味でも緊張し始めた。偽装結婚の終わりについて、滉太郎さんと話し合わなきゃいけない。

「仁奈、今週末はなにか予定ある?」

「えっ、あっ、よ、予定ですか?」

「うん。もしかしてなにか用事あった?」

 話をいつ切り出そうかソワソワしていたから、すっとんきょうな声を上げてしまった。滉太郎さんが少し驚いたような顔をしたから、私は慌てて付け足した。

「いえ、お父さんの様子を見に行こうと思っていただけで、それ以外は特になにもないです」

「じゃあ土曜は食事にでも行こうか」

「わ、私とですか?」

「当たり前だろ。ほら、ロンドンのお礼に奢るって言ったのに、結局なにもできてなかったからさ」

「そんなお礼なんて……滉太郎さんにはそれ以上にお世話になっていますから……」

「ああ、ごめん。お礼っていうのは口実。ただ俺が仁奈とデートしたいだけ」

 ど、どういうこと?
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