工場の闇に咲く恋 ~レンズが捉えた秘密~
「二人は部屋に行ってろ。こっちはたっぷりお説教してやるから」
貞夫の太い声が廊下に響く。愛斗とふみは顔を見合わせ、深く頭を下げた。
「ありがとう、お父さん」
二人は静かに自室へと向かい、扉を閉めて鍵をかけた。
外の騒がしさが嘘のように消え、部屋の中には二人だけの空気が満ちる。緊張が解けた瞬間、ふみが愛斗の胸元に飛び込むように抱きつき、そのまま柔らかく唇を重ねてきた。
「愛斗くん……ごめんね」
キスを終えてもなお、額をつけたままふみは震える声で囁いた。
「いきなりあんなことされて……避ける暇もなかったの。愛斗くん、怒ってるよね……?」
愛斗はふみの頬を両手で包み込み、まっすぐに瞳を覗き込む。
「ふみは悪くない。お前が何も悪いことしたわけじゃない。俺は怒ってないよ……ただ、すごく辛かった」
自分の大事な人が、あんな汚い欲望の対象として弄ばれたこと。助けたくても一瞬遅れてしまったこと。そして、ふみが感じたであろう不快感を思うと、心が張り裂けそうだった。
「……そうだよね」
ふみは涙ぐみながら、もう一度愛斗の唇に口づける。今度は自分から、しっかりと、何度も重ねて。
「私も、本当に嫌だった。あんなやつにキスされるなんて……気持ち悪くて、吐きそうだった。あの紙に書いてあった言葉だって……信じられない」
ふみの声が震える。
「特に……『愛斗くんが死ね』なんて書いてあったでしょ? 愛斗くんがいなくなるなんて……私、絶対に嫌だよ。考えただけで怖いの」
「……ありがとう、ふみ」
愛斗はふみを強く抱きしめる。自分の存在をこんなにも大切に思ってくれる彼女が、何よりも愛おしかった。
ふみは愛斗の体を押して、ベッドへとゆっくりと横にならせた。覆いかぶさるようにして何度もキスを落とし、それから自らシャツのボタンに手をかけ、一枚ずつ外して脱ぎ捨てていく。白い肌が月明かりに照らされて露わになる。
「ふみ? 今、あいつとお父さんはリビングだぞ?」
外にはまだ貞夫と幸輝がいる。怒鳴り声や物音が漏れ聞こえてくる距離だ。それなのに、なぜこんなことを……?
「知ってるよ」
ふみは悪戯っぽく、それでいて真剣な目で愛斗を見下ろす。
「だからだよ。愛斗くんがさっきからずっと辛そうなの、全部わかってる。我慢してるのも、苦しんでるのも……だからね、愛斗くんの辛かった分、全部私にぶつけていいんだよ。怒りでも悲しみでも、何でもいい。私が全部受け止めてあげるから」
「ふみ……」
(自分が一番汚されて、傷ついて、辛いはずなのに……それなのに俺の心配ばかりしてくれる)
愛斗の胸に熱いものが込み上げる。こんなにも純粋で、優しくて、愛おしい人の気持ちを、絶対に踏みにじってはいけない。たとえお父さんに後で何を言われても、怒られても構わない。俺はこの愛だけを、全身で受け入れ、応えてやるんだ。
愛斗はふみの体を抱え、ベッドにそっと横たえた。残っていた服も脱がせ、二人は一糸まとわぬ姿で重なり合う。肌と肌が触れ合うたび、今自分たちが生きていて、こうしてお互いだけを求めていることが、何よりも確かな真実だと感じられた。
「あっ……んっ……愛斗くん……気持ちいいよ……あっん……」
ふみは甘くとろけるような声を上げ、愛斗の背中に腕を回し、体を密着させる
「ふみ……俺もだ……すごく気持ちいい……っ」
愛斗は深く、激しく、それでいて優しくふみを抱く。部屋の外にいる幸輝への嫌悪感も、不安も、怒りも、今はすべてふみへの愛へと変えて、体の奥から伝えていく。
「幸輝なんか……大嫌いだ!」
ふみが涙ながらに叫ぶように言う。
「気持ち悪いし、変態だし、最低だし……! でも愛斗くんは……愛斗くんだけは、だいすきで、愛してるんだからね! ずっと、ずっと一緒だよ!」
「ふみ……俺もだよ……! お前だけを愛してる……誰にも渡さない……っ」
「だいすき……愛してる……もっと激しくして……もっと奥まで抱いて……だめだよ、離さないで……!」
「ふみっっ……!」
二人は名前を呼び合い、何度も何度も唇を重ね、体中で愛を確かめ合った。外の世界など何もないかのように、ただ二人だけの時間が、激しく、そして甘く流れ続けた。
一方その頃、リビングに残された幸輝は、部屋から漏れ聞こえる二人の甘い喘ぎ声に体を熱くし、カバンから隠しておいた据置型のアダルトグッズを取り出した。腰を動かして自らを刺激し、ふみへの汚い妄想に溺れていた。
だがその時、チェーンソーの起動音が轟き、続いて幸輝の「やめろ!」という断末魔が家中に響き渡った。
着替えを済ませたふみと愛斗は、異変に驚き、急いで部屋を飛び出した。
貞夫の太い声が廊下に響く。愛斗とふみは顔を見合わせ、深く頭を下げた。
「ありがとう、お父さん」
二人は静かに自室へと向かい、扉を閉めて鍵をかけた。
外の騒がしさが嘘のように消え、部屋の中には二人だけの空気が満ちる。緊張が解けた瞬間、ふみが愛斗の胸元に飛び込むように抱きつき、そのまま柔らかく唇を重ねてきた。
「愛斗くん……ごめんね」
キスを終えてもなお、額をつけたままふみは震える声で囁いた。
「いきなりあんなことされて……避ける暇もなかったの。愛斗くん、怒ってるよね……?」
愛斗はふみの頬を両手で包み込み、まっすぐに瞳を覗き込む。
「ふみは悪くない。お前が何も悪いことしたわけじゃない。俺は怒ってないよ……ただ、すごく辛かった」
自分の大事な人が、あんな汚い欲望の対象として弄ばれたこと。助けたくても一瞬遅れてしまったこと。そして、ふみが感じたであろう不快感を思うと、心が張り裂けそうだった。
「……そうだよね」
ふみは涙ぐみながら、もう一度愛斗の唇に口づける。今度は自分から、しっかりと、何度も重ねて。
「私も、本当に嫌だった。あんなやつにキスされるなんて……気持ち悪くて、吐きそうだった。あの紙に書いてあった言葉だって……信じられない」
ふみの声が震える。
「特に……『愛斗くんが死ね』なんて書いてあったでしょ? 愛斗くんがいなくなるなんて……私、絶対に嫌だよ。考えただけで怖いの」
「……ありがとう、ふみ」
愛斗はふみを強く抱きしめる。自分の存在をこんなにも大切に思ってくれる彼女が、何よりも愛おしかった。
ふみは愛斗の体を押して、ベッドへとゆっくりと横にならせた。覆いかぶさるようにして何度もキスを落とし、それから自らシャツのボタンに手をかけ、一枚ずつ外して脱ぎ捨てていく。白い肌が月明かりに照らされて露わになる。
「ふみ? 今、あいつとお父さんはリビングだぞ?」
外にはまだ貞夫と幸輝がいる。怒鳴り声や物音が漏れ聞こえてくる距離だ。それなのに、なぜこんなことを……?
「知ってるよ」
ふみは悪戯っぽく、それでいて真剣な目で愛斗を見下ろす。
「だからだよ。愛斗くんがさっきからずっと辛そうなの、全部わかってる。我慢してるのも、苦しんでるのも……だからね、愛斗くんの辛かった分、全部私にぶつけていいんだよ。怒りでも悲しみでも、何でもいい。私が全部受け止めてあげるから」
「ふみ……」
(自分が一番汚されて、傷ついて、辛いはずなのに……それなのに俺の心配ばかりしてくれる)
愛斗の胸に熱いものが込み上げる。こんなにも純粋で、優しくて、愛おしい人の気持ちを、絶対に踏みにじってはいけない。たとえお父さんに後で何を言われても、怒られても構わない。俺はこの愛だけを、全身で受け入れ、応えてやるんだ。
愛斗はふみの体を抱え、ベッドにそっと横たえた。残っていた服も脱がせ、二人は一糸まとわぬ姿で重なり合う。肌と肌が触れ合うたび、今自分たちが生きていて、こうしてお互いだけを求めていることが、何よりも確かな真実だと感じられた。
「あっ……んっ……愛斗くん……気持ちいいよ……あっん……」
ふみは甘くとろけるような声を上げ、愛斗の背中に腕を回し、体を密着させる
「ふみ……俺もだ……すごく気持ちいい……っ」
愛斗は深く、激しく、それでいて優しくふみを抱く。部屋の外にいる幸輝への嫌悪感も、不安も、怒りも、今はすべてふみへの愛へと変えて、体の奥から伝えていく。
「幸輝なんか……大嫌いだ!」
ふみが涙ながらに叫ぶように言う。
「気持ち悪いし、変態だし、最低だし……! でも愛斗くんは……愛斗くんだけは、だいすきで、愛してるんだからね! ずっと、ずっと一緒だよ!」
「ふみ……俺もだよ……! お前だけを愛してる……誰にも渡さない……っ」
「だいすき……愛してる……もっと激しくして……もっと奥まで抱いて……だめだよ、離さないで……!」
「ふみっっ……!」
二人は名前を呼び合い、何度も何度も唇を重ね、体中で愛を確かめ合った。外の世界など何もないかのように、ただ二人だけの時間が、激しく、そして甘く流れ続けた。
一方その頃、リビングに残された幸輝は、部屋から漏れ聞こえる二人の甘い喘ぎ声に体を熱くし、カバンから隠しておいた据置型のアダルトグッズを取り出した。腰を動かして自らを刺激し、ふみへの汚い妄想に溺れていた。
だがその時、チェーンソーの起動音が轟き、続いて幸輝の「やめろ!」という断末魔が家中に響き渡った。
着替えを済ませたふみと愛斗は、異変に驚き、急いで部屋を飛び出した。