工場の闇に咲く恋 ~レンズが捉えた秘密~
それから一行は、旅館が手配した料亭へと移動し、貞夫とカルの二人の喜寿祝いを行った。
上州牛や新鮮な魚介、山菜をふんだんに使った懐石料理が卓に並び、乾杯の音頭をきっかけに、皆でゆっくりと食事と会話を楽しんだ。美味しい料理に舌鼓を打ち、笑い声が絶えない時間が約一時間ほど続いた後、愛斗とふみは「少し部屋で休んでくる」と席を立ち、自分たちの部屋へと戻った。
扉が閉まるや否や、愛斗はふみを壁際まで追い詰め、息もつかせぬほどの長い長いキスをした。唇だけでなく、体中の水分を吸い取るように、何度も重ねる。ふみは次第に息苦しくなり、愛斗の胸元を柔らかく叩いて抗議する。
ようやく唇が離れ、二人は荒い息を整えた。愛斗はふみの頬に手を添え、真剣な眼差しで語り始める。
「ふみが団子を食べてたときもだ。口に運ぶ手つきから、ものを噛む表情まで、あいつは全部、性的な目で見てた。それだけじゃない。温泉から上がって浴衣を着てたときも、襟元の乱れや肌の色ひとつ見逃さず、下品にニヤニヤしながら食い入るように見つめてたんだ」
ふみは瞳を伏せ、小さく震える声で呟いた。
「……私、もっちゃんに、そんな風に狙われてるのかな」
「そうとしか思えない。だけど安心しろ。俺が絶対に、お前に指一本触れさせないし、汚い視線だって浴びせさせない。俺がずっと側にいて、お前を守るから」
愛斗の言葉に、ふみは安心したように笑みを浮かべ、そっと抱きついてくる。
「ありがとう、愛斗くん。……でもね」
ふみは悪戯っぽく瞳を輝かせ、愛斗の耳元で囁いた。
「愛斗くんなら、私のこと、どんな風にエロい目で見てくれてもいいんだからね。全部受け入れるから」
その言葉に愛斗の理性は吹き飛んだ。再び激しく口づけ、二人は夕方から夜まで、ただひたすらに互いの体温を求め合い、イチャイチャと甘い時間を過ごした。
時計の針が午前零時を回り、周囲はすっかり静かになった。
ベッドの中で暗闇に包まれながら、二人は何度もキスを交わす。愛斗はふみをゆっくりと横にならせ、着崩れていた浴衣の帯に手をかけた。するりと解けた帯を外し、浴衣をはだけさせると、その下には昨日二人で選んだ、レースの美しい勝負下着が現れた。
「……きれいだよ、ふみ。本当によく似合ってる」
「ありがとう。……浴衣は? 変じゃなかった?」
「浴衣もだ。色気があって、すごく可愛かった。俺だけのものにしいくらいだ」
ふみは嬉しそうに愛斗の首元に両手を回し、自ら唇を重ねてきた。
それから体を滑らせ、愛斗の下半身へと顔を埋める。柔らかな唇で根元から先端まで、何度も何度も丁寧に舐め上げられ、愛斗は快楽に身を任せた。
熱いものが込み上げると、ふみは自らの口で受け止め、残りはティッシュに出して綺麗に拭う。
今度は愛斗がふみをベッドに寝かせ、覆いかぶさった。
「愛斗くん……んっ」
「ふみ……好きだ……んっ」
「私も……愛斗くんが、大好きっ……」
肌と肌を重ね、奥深くまで繋がり合う。
愛斗は動くたびに吐息を漏らし、ふみは甘い声を上げる。
——俺たちがこうして愛し合っている声を、あの部屋にいる幸輝に、しっかり聞かせてやれ。お前が欲しくても手に入らないものが、ここにあるんだということを、骨の髄まで思い知らせてやる。
二人はわざと、隣の部屋にまで響くように、大きな喘ぎ声を上げ続けた。
絶頂を迎えた後も、すぐには体を離さず、汗ばんだ肌を重ねたまま笑い合い、疲れるまでイチャイチャと語り合った。
——そして翌朝。
朝日が部屋を照らし、二人は目を覚ました。服を着替え、身だしなみを整えてから、軽く口づけを交わす。
部屋を出ると、すでにロビーには貞夫、カル、そして幸輝が集まっていた。
「おはよう、二人とも。よく眠れたかい?」とカルが笑顔で迎える。
「おはようございます。はい、ぐっすり」
するとカルは、隣にいる幸輝をちらりと見て、少し困ったような顔で話し始めた。
「そういえば幸輝ね。昨日の夜中にヨーグルトを食べてたらしくて、布団の中にたくさんこぼしちゃってたのよ。朝起きたらシミだらけで驚いちゃった」
「……そうなんですか」
愛斗は表面上は驚いたフリをしながら、すぐに悟っていた。
——ヨーグルト? ふざけるな。あれは絶対に精液だ。俺たちが愛し合う声を聞いて、悔し紛れに自分で慰めて、自分の布団の中にぶちまけたんだ。
それくらい、俺にはお見通しだ。カルさんは何も知らないようだが……。
カルが「ちょっと化粧室に行ってくるわ」と席を立ち、部屋の前に愛斗、ふみ、幸輝の三人だけが残された。
一瞬の沈黙の後、幸輝はニヤニヤといつもの嫌らしい笑みを浮かべ、二人に向かって口を開いた。
「……昨日、部屋でやってただろ?」
「……なにを?」
「決まってるだろ。セックスだよ。俺、全部聞こえてたんだから」
愛斗もふみも、あまりの直球で下品な発言に、言葉を失い、ただただドン引きするしかなかった。
上州牛や新鮮な魚介、山菜をふんだんに使った懐石料理が卓に並び、乾杯の音頭をきっかけに、皆でゆっくりと食事と会話を楽しんだ。美味しい料理に舌鼓を打ち、笑い声が絶えない時間が約一時間ほど続いた後、愛斗とふみは「少し部屋で休んでくる」と席を立ち、自分たちの部屋へと戻った。
扉が閉まるや否や、愛斗はふみを壁際まで追い詰め、息もつかせぬほどの長い長いキスをした。唇だけでなく、体中の水分を吸い取るように、何度も重ねる。ふみは次第に息苦しくなり、愛斗の胸元を柔らかく叩いて抗議する。
ようやく唇が離れ、二人は荒い息を整えた。愛斗はふみの頬に手を添え、真剣な眼差しで語り始める。
「ふみが団子を食べてたときもだ。口に運ぶ手つきから、ものを噛む表情まで、あいつは全部、性的な目で見てた。それだけじゃない。温泉から上がって浴衣を着てたときも、襟元の乱れや肌の色ひとつ見逃さず、下品にニヤニヤしながら食い入るように見つめてたんだ」
ふみは瞳を伏せ、小さく震える声で呟いた。
「……私、もっちゃんに、そんな風に狙われてるのかな」
「そうとしか思えない。だけど安心しろ。俺が絶対に、お前に指一本触れさせないし、汚い視線だって浴びせさせない。俺がずっと側にいて、お前を守るから」
愛斗の言葉に、ふみは安心したように笑みを浮かべ、そっと抱きついてくる。
「ありがとう、愛斗くん。……でもね」
ふみは悪戯っぽく瞳を輝かせ、愛斗の耳元で囁いた。
「愛斗くんなら、私のこと、どんな風にエロい目で見てくれてもいいんだからね。全部受け入れるから」
その言葉に愛斗の理性は吹き飛んだ。再び激しく口づけ、二人は夕方から夜まで、ただひたすらに互いの体温を求め合い、イチャイチャと甘い時間を過ごした。
時計の針が午前零時を回り、周囲はすっかり静かになった。
ベッドの中で暗闇に包まれながら、二人は何度もキスを交わす。愛斗はふみをゆっくりと横にならせ、着崩れていた浴衣の帯に手をかけた。するりと解けた帯を外し、浴衣をはだけさせると、その下には昨日二人で選んだ、レースの美しい勝負下着が現れた。
「……きれいだよ、ふみ。本当によく似合ってる」
「ありがとう。……浴衣は? 変じゃなかった?」
「浴衣もだ。色気があって、すごく可愛かった。俺だけのものにしいくらいだ」
ふみは嬉しそうに愛斗の首元に両手を回し、自ら唇を重ねてきた。
それから体を滑らせ、愛斗の下半身へと顔を埋める。柔らかな唇で根元から先端まで、何度も何度も丁寧に舐め上げられ、愛斗は快楽に身を任せた。
熱いものが込み上げると、ふみは自らの口で受け止め、残りはティッシュに出して綺麗に拭う。
今度は愛斗がふみをベッドに寝かせ、覆いかぶさった。
「愛斗くん……んっ」
「ふみ……好きだ……んっ」
「私も……愛斗くんが、大好きっ……」
肌と肌を重ね、奥深くまで繋がり合う。
愛斗は動くたびに吐息を漏らし、ふみは甘い声を上げる。
——俺たちがこうして愛し合っている声を、あの部屋にいる幸輝に、しっかり聞かせてやれ。お前が欲しくても手に入らないものが、ここにあるんだということを、骨の髄まで思い知らせてやる。
二人はわざと、隣の部屋にまで響くように、大きな喘ぎ声を上げ続けた。
絶頂を迎えた後も、すぐには体を離さず、汗ばんだ肌を重ねたまま笑い合い、疲れるまでイチャイチャと語り合った。
——そして翌朝。
朝日が部屋を照らし、二人は目を覚ました。服を着替え、身だしなみを整えてから、軽く口づけを交わす。
部屋を出ると、すでにロビーには貞夫、カル、そして幸輝が集まっていた。
「おはよう、二人とも。よく眠れたかい?」とカルが笑顔で迎える。
「おはようございます。はい、ぐっすり」
するとカルは、隣にいる幸輝をちらりと見て、少し困ったような顔で話し始めた。
「そういえば幸輝ね。昨日の夜中にヨーグルトを食べてたらしくて、布団の中にたくさんこぼしちゃってたのよ。朝起きたらシミだらけで驚いちゃった」
「……そうなんですか」
愛斗は表面上は驚いたフリをしながら、すぐに悟っていた。
——ヨーグルト? ふざけるな。あれは絶対に精液だ。俺たちが愛し合う声を聞いて、悔し紛れに自分で慰めて、自分の布団の中にぶちまけたんだ。
それくらい、俺にはお見通しだ。カルさんは何も知らないようだが……。
カルが「ちょっと化粧室に行ってくるわ」と席を立ち、部屋の前に愛斗、ふみ、幸輝の三人だけが残された。
一瞬の沈黙の後、幸輝はニヤニヤといつもの嫌らしい笑みを浮かべ、二人に向かって口を開いた。
「……昨日、部屋でやってただろ?」
「……なにを?」
「決まってるだろ。セックスだよ。俺、全部聞こえてたんだから」
愛斗もふみも、あまりの直球で下品な発言に、言葉を失い、ただただドン引きするしかなかった。